!!第二の待機児童状態?!発達に関する支援も人数的に限られている?!あきらめなきゃいけないの?!

このサイトをご覧になっているのは、発達の凸凹(発達症状)に関心のあるかただと思います。

では、現状の発達支援教育の状況は、どのようになっているのでしょうか。

 

発達の問題を抱えたお子さんはこの数年で急増し、文科省などの関係機関の推値よりもはるかに超えて支援を必要とする子供がおおぜいいます。

しかしながら個別指導や教室内での支援もなかなか簡単には受けられないのが、現状です。

理由としては、発達系の課題を持っている子が非常に増えたこと、小学校における教員の不足などがあげられます。

要支援なのに支援が受けられない現状

なぜ、「この子には支援が必要だ」と思われるのに実際には支援を受けていないのでしょうか?

現況での問題点を2点挙げます。

1)制度上の問題

就学相談で「固定級が適切な環境」と言う判定が下るお子さんが、毎年います。

低学年のうちは、発達の月齢差も大きいので、むしろ少人数でしっかり指導を受けておいた方が良いという判断での【固定級が適】なのですが、保護者はその判定には今一つ納得できず、「どうしても通常級で!」と希望するケースがかなり多いようです。

この場合、保護者が同意しなければ固定級(=支援学級)ではなく、通常学級に通うことになります。しかしながら、特別にその子のために支援者を付けることは、定められていません。

ほとんどの小学校で、一年生にはクラスに一人「学級生活支援員」という人が配置されます。

この支援員の役目は、新一年生の学級担任に対しての学級運営サポートであり、クラス全体への目配りや声かけ等生活上の支援をしていきます。

もし、固定級判定を受けたお子さんが通常級へ希望しても、制度上はその子のために特別な人的支援はありません。

現場ではかなり支援者が必要なのに、学級生活支援員が一人でそのお子さんの支援とクラス全体の支援の両立で苦悩している というのが現状です。

就学相談時の判定は各自治体の教育委員会のもとで行われるので、「本来固定級判定の出た子で通常学級への進学を選んだ場合には、公費による支援は付かない」と言うのが、基本姿勢です。

保護者側でお子さんのために、保護者自身または支援者を確保して支援する ことは可能です。

例えば、教室にみんなと一緒に居られず飛び出してしまったり、そのあげく校庭で勝手に遊ぶ、学校の敷地内からも出てしまう と言うような行動がみられると、小学校側では保護者に「安全のため、見守りで学校にお子さんと共に居てください」とお願いすることになります。

2)現状の支援教育体制の問題

東京都では平成28年度から都内のすべての小学校に「特別支援教室」を設置し、校内で個別の指導を、必要と認められた対象児童に行えるようになりました。

しかしながら、予想をはるかに超える申請希望児童の増加と、個別指導(巡回)教員養成の遅れや教員不足の慢性化のため、巡回指導を望んでも待機せざるを得ない状況が続いています。

巡回教員一週間の流れは、毎日異なる学校に出向き、1,2時間の担当児童への個別指導や教室支援を行なっています。訪問校の数は自治体や拠点によって異なり、2~5校を一つの拠点で訪問校対象としています。

つまり、対象児童の多い自治体においては、巡回指導教員は1校につき数人の児童を担当し、少なくとも12人ほどの子どもたちに対して週一回の指導を受け持っています。

学級担任とは全く異なる指導内容なので、新しく巡回指導教員になった先生たちは、必死になってこの指導スタイルに慣れていく必要があります。

子どもたちの状況を把握し、保護者の悩みを聞き、学級担任との連携を図って、適切な教材を個別に選び成果を出すのは、本当に大変な仕事だと思います。

そのため、巡回教員ひとりが受け持てる児童数の限界もあり、教員の増加な配置がない限り、結果的には巡回希望の児童を待たせざるを得ない状況ができてしまいます。

発達の支援に関しては、「第二の待機児童現象の状態」 と言っても過言ではありません!

さらに今後はもっとそのような待機児童が増え続けることも懸念されます。

 

学校で支援が受けられない場合の対策

上記のように、「支援してほしい」「支援してあげたい」と思っていても実際には支援を受けられない場合は、あきらめるしかないのでしょうか!

そこで、「発達上で必要な学習(トレーニング)は家庭でもできる」という別の視点を持っていただく必要があります。

そもそも、学校で受けられる支援指導にも時間的な限界が制度上発生しています。

年間35時間前後、長期休暇中はないので、数回で慣れた感覚も長期休暇明けには相当戻ってしまうのが、実際の現場でも起こります。

この点は、本来継続して学習してこそ効果がある発達系の学習においては、もっとも弱点になっていると言えます。

このような点を踏まえても、お子さんの将来をより切り開くために、保護者ご自身が発達系の学習内容を知り、ご家庭で焦らずに楽しむ姿勢で関わっていただくことを、おすすめしています。

「どんなことから始めればいいのか?」

「教材は選びは?」

このようなお悩みが当然出てくると思います。

お子さんに合うものを探していくお手伝いをこのブログでしていきます。

 

まとめ

学校内では支援が十分に行き届かないことは、残念ですが仕方ないことだと捉えていきましょう。

むしろ、「こんなことをやっているんだね。じゃあ、うちでもできそうだから、やってみよう!」と思ってくださるご家庭があれば、それが一番効果的な発達支援になります。

保護者ご自身も、発達への関心を持っていただくことが、お子さんの理解者になる第一歩です。

発達には様々な面があり、お子さんの状況を多角的にとらえることも自然に体得されるでしょう。

そういう基盤がご家族にできあがれば、子どもたちは自分に自信を持ち、レジリエンス(修復力)も上がっていきます。

 

今後、このブログ内で『家庭で出来るシリーズ』として、具体的な教材の選び方などもお伝えしていきます。

ご相談、ご質問がある方は、こちらへお願いします。

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