「いつの間にか、こんなに集中できなくなっていたなんて!」
「どうすれば集中力が伸びますか?」
このようになげかれるお母様のお話をよく伺います。
お子さんたちの集中力が散漫になる原因や引き金はいろいろあります。
一番問題なのは、「ダラダラと机に向かう=ダラダラ勉強」 が癖になってしまうこと
とりあえず、この悪いくせは早めに直しましょう!
今回は、「ダラダラ勉強」をストップさせる意外な攻略法をお教えします。
- 短く区切る
- やる気モード
この2点がポイントです。
短く区切る
5分から始めて、15分までを目標に
集中力を高めるには、まず、短い時間の集中が必要です。
ここでいう5分間は、集中して取り組んだ正味の時間です。
注意散漫な状態で机の前にすわる習慣のついた子には、まず5分間から。
出来れば3分の目安もあればなお良いので、タイマーや砂時計を利用します。
軽めの問題で、サクサク書き込めるものがあればベストですね。
脳の働きが波に乗った状態をキープできれば、子供自身もちゃんと集中できていることに気づきます。
初めは得意な項目の学習(勉強)から、この集中力アップにチャレンジさせましょう。
内容の組み合わせを工夫して時間を延ばしていく
正攻法の学習法では、取りこぼしの無いようにまんべんなく勉強するのがベストですが、一度やる気が落ちてしまった子やすでに勉強ギライになりかけている子には、別の方法が無難です。
たぶん、得意なものの学習は10分、15分の段階にすぐに進むことができるでしょう。
教科や内容によってばらつきがあってもかまいません。
第一段階・・・・5分の集中
第二段階・・・・10分の集中
第三段階・・・・15分の集中
と考えていきます。
しばらくやっていくと、子どもはすべての内容に対して同じような集中度ではないことに気づくはずです。
得意なもの、苦手なものが浮き彫りになってきます。
5分間の集中力維持が苦手な作業(内容)に関してもできるようになれば、第一関門はクリアです!
あとは一日の中での組み合わせで工夫していきます。
基本は
- 苦手なものは少量でも落ち着いて取り組む。
- 得意なもの、時間や分量を少しずつ増やす
- 苦手なものほど、一日の中で早めの時間帯に設定する。
休憩(インターバル)も必ず入れる。
最初の目標の5分間が集中できるようになり、少しずつ時間を増やす段階では、必ず休憩の時間(インターバル)を取り入れます。
トイレでも良いですし、飲み物やお菓子で気分転換もOKです。
一旦、机から離れ、移動するのが良いでしょう。
でも、あくまで軽く息抜きをするのが目的なので、ゲームやTVはやらないでおくことをお勧めします。
せっかく始めた学習への集中よりも、楽しいことを長くしてしまったら(たぶん5分間では終わらないので)、元も子もありません。
こういうインターバルは、脳のリフレッシュのためなのですが、姿勢の悪い子や鉛筆の持ち方が気になる子には、体の硬さをほぐす役目もあります。
子どもが良く言う「疲れた!」には、どうやら身体の硬さが関係しています。
さほど長い時間勉強していないのに、「疲れた!」を連発するのは、学習時の緊張感に身体が慣れていないからでしょう。
机やいすを離れ、3分間寝そべるだけでもずいぶん違います。
集中力が続くようになると、子どもの方から「今は休まなくても大丈夫」と言うようになります。
ちなみにスポーツのトレーニングでは、この「インターバル」を入れることで、持久力のアップにつながります。
完全に休息してしまうのではなく、あえて不完全な休息にすることで、持久力を高める効果がうまれるとのこと。
このサイトでお話ししている「学習での集中力」も言い換えれば、脳の緊張感の持久力を養う練習となります。
そのため、スポーツのトレーニングと同様に、インターバルの効果が考えられます。
やる気モードの切り替え
姿勢が持たない子には、軽く体を動かさせてから始めるとよい。
最近の小学生は、姿勢保持のできない子が非常に増えてきました。
これは、「姿勢を良くして!」と言ってもなかなか直りません。
そもそも、体幹が育っていないので、良い姿勢の維持が難しいのです。
このような体幹のまだしっかりしていない子でも、学習に入る前に軽く体を動かすことで、かえって姿勢が良くなることもわかってきました。
最近は、おうちにミニトランポリンがあるご家庭も増えたようですので、トランポリンで20回ぐらい飛んでから始めるのも良いですね。
痛くない柔らかいボールを使った軽いキャッチボールや、風船バレーでもかまいません。
学校生活の時間帯で考えると、中休み後の3時間めと同じような感じです。
5分ぐらいまでの軽い運動後、水を飲んでリフレッシュしてからの学習は、結構効果的です。
ぜひ試してみてください。
また、姿勢が崩れ始めたら、集中力が切れるサインだと思ってください。
場所を移動する、用事を頼む、手作業を入れるなどの、体を動かす行動を一度あいだにはさむだけでも、ずいぶん違います。
体を動かすことで気持ちを切り替えると言うのも、集中力のアップには大切です。
集中力が落ちてくるころを見計らって、インターバルの時間に体を動かすことで、脳がリフレッシュします。
心理学的にも場を変えることで気持ちは変化するので、一旦机から離れることは気持ちがリセットされ、効果的です。
つい、まじめな大人の人ほど「10分ぐらい集中が続かなくてどうする!もっと鍛えなくてはダメだ!」と思いがちですが、
子どもたちはまだ成長途中なので、まずは低い目標をクリアすることを優先してください。
達成感を与える
「さあ、やりますよ!」という大人側の熱意が強すぎると、勉強ギライの予備軍たち(!)はかえって逃げ出したくなるようです。
ここは、大人の方がちょっとした遊び心や作戦「挑戦シリーズ」で、子どものやる気に刺激を入れましょう。
「挑戦シリーズ」とは、自分が取り組む学習に対して、子供自身が目標設定し、挑戦するというスタイルです。
「挑戦シリーズ」として効果的なのは次のような内容での目標設定です。
- 時間の短縮(計測)
- 分量
- 難易度アップ
- ていねいさ
一回毎の学習タイムに、上記のいずれかの内容を決めて、取り組みます。
例えば、いつものんびり時間をかけている子には、
・10問の計算問題を3分間でどこまで解けるか挑戦する (時間短縮) または
・5分間で一ページ分の漢字練習を頑張る (分量) とか
・国語の読解学習で選択肢ではなく、抜き書きの設問スタイルの問題をやる (難易度) あるいは
・宿題の漢字ノートを直しをもらわずに済むようにていねいに書く(丁寧さ)
といった目標を立てます。
この「挑戦シリーズ」では、ポイント制にして一定の目標ポイントまで到達したら、ごほうびを準備しておきます。
また、上記の4項目(時間、分量、難易度、ていねいさ)をその都度自由に選べるようにするのも、良いですよ。
始めは自分ができそうなものばかりを選ぶと思いますが、気にせず受け入れてください。
好んで選ぶものによって、お子さんが何に苦手意識を持っているかもわかります。
苦手意識があるのものは当然選ばないわけですが、それでも自信がついてくると、そのうちに 「自信があるもの以外の目標にも、ちょっと挑戦してみようかな~」という気持ちになります。
レベルも分量も自由に調節できるので、やり遂げた達成感も感じられるので、子どもたちには好評です。
なお、挑戦が目的なので、もしうまくクリアできなくても何度も機会を与えてあげてください。
クリアして獲得したポイントをシールやグラフなどで見える化しておくと、さらにモチベーションがあがりますよ。
まとめ
今回は「ダラダラ勉強」をストップさせる、ちょっと意外な2つのポイントをご紹介しました。
- 短く区切る
- やる気モード
どちらからでも良いので、お子さんの集中力が落ちているなぁと感じたら、実践してみてください。
毎日続けなくても、一週間に2,3回こういう方法を取り入れるだけで、ずいぶん変わってきます。
当初の目的は 今までのような「ダラダラ勉強」の癖をなくすことなので、お子さんの学習姿勢が短い時間でも集中できるようになり変わってくれば、効果があったと言えます。
集中力は、学校の授業でつくものではありません。
毎日の身近な生活の中で、色々な機会がありますので、どうぞいろいろトライしてみてください。
おうちで充実した時間が持てた子ほど、自分のことを大事に考えて、「今、自分は何をすべきか」を考えるようになり、行動や気持ちの切り替えが早くなります。
おうちでの学習習慣は、やはり低学年から身に付けてもらうのが、一番楽です。
けれど、もしお子さんにこういう家庭学習の習慣がついていないようならば、すぐに試してみてください。
まだまだ、内容・質・量のハードルが低い小学校の間に、「ダラダラ勉強」から卒業できれば、中学での勉強にもなんとかついていけます。
ダラダラ勉強の癖が取れずに塾に通っても、塾の宿題や課題でまた手いっぱいになってしまうケースが非常に多いので、まずはお試しください。
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