こんなに作文が苦手で書けないのはどうしてだろう?
先日もあるお母様から
「うちの子は漢字練習等は、がんばってやるんです。ノートも丁寧に書いていると思います。」
「でもなぜか、作文は大の苦手で、いつも苦労しているんです。」
「作文ぎらいを直す方法って、何かありませんか?」
というご相談を受けました。
中学年(3,4年生)からは、自分の意見や感想を書く機会がとても増えますから、ご心配も当然ですね。
現在、小学校ではほとんどの学校行事の前後に「紹介文」や「新聞」の他、「お世話になった人へのお礼のお手紙」など
作文を書く機会が以前に比べても非常に増えてきています。
『遠足は楽しいけど、後の作文がヤダな』
『運動会のこと、また作文で書くんだよね、ぼく、うまく書けないんだよ~』など
現場でもこんな子供たちの声をよく聞きます。
3年生ごろには作文の得意な子と苦手な子の差がはっきり出てきています。
うちの子も作文が大嫌いで、作文の課題が出る度に「書けないよ~!」と苦しんでおりました。
授業時間内では終わらず、家に持ち帰る宿 題になったこともたびたびありました。
親の私【ラ・テ】はそんな息子とは対照的に、作文は得意な方でした。むしろ毎回原稿用紙が足りなくて、いつも用紙をもらいに行った記憶が残っています。
ですから、≪作文が書けない≫わが子の状態を知った時は、ショック!😢Σ(゚д゚lll)ガーン
今回は ラ・テ自身の母親としての体験も含め、「作文苦手・嫌い」に関して、考えてみます。
まずわが子の例で「作文嫌い・作文苦手」な子の特徴 を探してみました。
特徴1 | おしゃべりが好きな子だろうか? | ||||||||
特徴2 | 本はよく読む子だろうか? | ||||||||
特徴3 | ものの構造に、興味・関心がある子だろうか? |
ちなみに息子は1,2には当てはまらず否ですが、3には当てはまる子どもでした。
つまり
・おしゃべりはあまり好きではない
・本はあまり好きではない
・物の構造とかへの関心・興味は高い と言うのが小学校時代の実状でした。
それぞれの項目をわが子の例を取り上げて、具体的に考えてみましょう。
特徴1 おしゃべりが好きな子だろうか?
作文との関連性で案外見過ごすのが、
そもそもお子さんは会話が好きな子かどうか です。
理由としてあげたいのは次のような関係です。
「おしゃべり(会話)が好きな子は、語彙がどんどん増える傾向がある」
この関係性をちょっと専門的な視点から補足すると、
おしゃべりが好きな子は元々聴覚が優位であるため、
聴覚(=この場合は、【ことば】)からの情報収集が得意である。
また、他者との会話のやり取りを通して、表現の多様性を学ぶ機会が多い。
等のプラスの要因が考えられます。
一方、物静かであまりおしゃべりではない子は、
うなずきや首ふりなどのボディーランゲージを 多用して、
コミュニケーションをとっているようです。
特徴2 本はよく読む子だろうか?
昔から「本をよく読むと国語の力がつく」のは、常識 とされてきました。
これも納得できる理由があります。
本になり出版されているということは優秀な文章モデルとして認知され、提供されているわけです。
本をよく読む子の場合、自然と上手なことばの配置や表現にふれて、内容を楽しんでいる と言えます。
結果的には 質の良い文章を、モデリングし学習する機会が極めて多い と考えられます。
たしかに作文の取り組む時って、「分かりやすかった言い回し」や「ぴったりのことば(表現)」を知っていると、
文章の書きやすさは全然違いますね。
おそらく本をよく読む子は、どこかで自分が目にしたことのある、こういう言い回しや表現を
なんとなくおぼえているのでしょう。
だから、あまり苦労することなく、言葉を紡いでいくことができるのではないでしょうか。
特徴3 ものの構造に、興味や関心がある子だろうか?
この見出しを見て「え?なぜ?」と首をかしげる人も多いのではありませんか?
3番目の特徴は、前述の2つの特徴とは視点が異なり、逆転の発想です。
それは
作文嫌いの子でも、構成を先に考えるスタイルで文章を組み立てれば、
作文スキルがアップする可能性を持っている と言うことです。
ここでわが子のエピソードをご紹介します。
幼い頃はほとんど毎晩寝る前に童話の読み聞かせをしていたのに、
なぜか全く物語文には興味がなかったらしく、物語本も読まないし、
低学年のころから 音読の宿題にも強い抵抗感を示していました。
どちらかと言えば内気な性格で、いさかいを嫌い、小さな声で話すことが多い子どもでした。
家でも小声で話すため、家事に追われてゆとりのなかった母親の私は、何度も聞き返すことが多かったです。
これが、より一層息子の「話すことへのためらい」を強めてしまったのだと、あとになって理解しました。
息子にとっては
「ちゃんとわかるように話して!」という母親のことばがきっと重荷になっっていったのでしょう。
ご想像のとおり、我が子は国語が好きでなくなり、特に作文は大の苦手でした。
彼はむしろ、視覚的な表現の方が得意なことに、だんだん母親の私も気づき始めました。
視覚優位らしく、ブロックなどの組み立ては大好きで、得意でした。
わが子ながら発想も豊かでした。
そういう息子の姿を見ているうちに、やっと気づかされたのです。
『この子は自分とは違う。私にはない立体物を見て取れる力や、再現する力があるんだ。』
作った作品を説明してくれる時は、生き生きと誇らしげで分かりやすく伝えられていました。
この「しくみ(構造)を理解する方向が彼の得意な分野なんだ!」と思ったので、作文対策も思い切って変えてみました。
「何が」「どうした」の単純なレベルから少しずつ言葉を付けたしていくことを、試しにやっていきました。
すると、単語が文節になり、短文からまとまりのある文章に膨らませることができるようになったのです。
さらに4年生以上になると、他の子が苦手とする≪解説文≫や≪論説文≫の読み取りの方が、むしろ得意だとわかってきました。
確かにプラモデルや組み立てを要するおもちゃの説明書を読む機会が増え、どんどんどういう文章に慣れていったのでしょう。
これが 物のしくみに関心があることは、その力を文章づくりに活かせる長所 だと気づいた理由です。
もちろん、手で作業し形が残るクラフトなどの物作りと、文章を書いていく作業との間には、
いくつもの壁があり、キーワードや方向性を見いだしていく段階でのサポートが必要です。
けれども文章の構成から考えてさせていく方法は、作文嫌いを卒業する一つの方法であり、
論説文などの読解力においても、重要なスキルであることは、言うまでもありません。
ちなみに息子は理工学部に進み、プレゼンテーションや卒論対策で一字一句の重みを徹底的に叩きこまれたため、
説得力のある文章は非常に得意になりました。
今では私の方が、大事な文章作成の折には、息子にチェックをしてもらっています。
今回は 作文が苦手な子の特徴を、我が子の場合を例にして探ってみました。
特徴1 | おしゃべりが好きな子だろうか? | ||||||||
特徴2 | 本はよく読む子だろうか? | ||||||||
特徴3 | ものの構造に、興味・関心がある子だろうか? |
実際に苦手を減らす方法や、実践例については、またこのブログ上でお伝えしていきたいと思います。
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