「うちの子、ゲーム機ばかりに夢中で心配です。」
最近はよくこのようなお悩みを聞きます。
一方で、子供たちに「おうちの人と何をして遊ぶ?」と言う質問をすると、
残念なことに「家族とは、ゲーㇺはやらない、一緒にあそばない」と言う答えが多いのです。
一昔前には、親子でトランプやボードゲームを楽しむ風潮もあったのですが、
親世代が忙しくなりすぎたのでしょうか。
子どもがゲーム機に夢中になるのは、他に楽しめるものが無いのかもしれませんね。
でも本当は、子どもたちがもっとも楽しいと感じるのは、
共感する人がいる、一緒に楽しむ人がいることだ
というのが児童心理の先生のお話でした。
実際、思春期で難しい一時期に、親子でおうちでゲームをするようになってから、少し親子関係が穏やかになったというご家庭もありました。
結果は、親が負けたそうです。
思春期の子供にコテンパンにやられましたと言う親御さんの報告でしたが、そのお父さんも案外楽しかったようです。
親子で楽しむ「仲良しグッズ」がおうちにあると、子供たちも「ゲーム機だけが楽しい」とは思わなくなります。
今日、ご紹介するのは、大人も子供も楽しめるカードゲーム【ドブル】です。
ドブル (Dobble) 日本語版 カードゲーム
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もちろん、電源もいりません。
比較的年齢が低い時期からでも遊べます。
簡単なルール説明
ルールは簡単で、いわば絵合わせの一種です。
一枚の丸いカードの中に、いくつかの絵柄(印)が描かれています。
カードによって、大きさや向きはさまざまです。
- 前もって山札(場札)用と,メンバーの人数分のカード(手札)の枚数を決めておきます。
- 対戦者は自分のカード(手札)を、絵柄が見えないように手元に重ねておきます。
- 場札は絵柄を上にして重ねて置きます。
- 合図と共に一斉に一番上の手札を裏返して見ていきます。
- 場札の中の絵柄を見ながら、自分のカード(手札)に場札と同じ絵柄があったら、その名称を言って(コール)、場にすばやく手札を出します。これで、場札が変わりました。
- 一番早く手札がなくなったひとが、勝ちです。
前もって枚数を決めておいた方が、ゲームの感覚がつかめやすいようです。
※詳しくは、ゲームの説明書を見てください、
ゲームのポイント
このゲームのポイントは、観察力、即断力、言語力です。
◇観察力:同じ絵柄でも向きや大きさが異なっているので、焦ると見つけにくいです。
他のプレーヤーより早く見つけるかどうか、物の形と色で識別します。子どもの方がよく見ています。
◇即断力:場札が変わったら、すかさず新しい場札と共通の絵柄を探さねばなりません。前の絵柄にとらわれていると、新しい共通の絵柄がなかなか見つけられません。即断力が必要です。
次々と変わる場札にも、たまたま同じ絵柄が続けて含まれていることがあります。
素早く反応してコールしなければなりません。
◇言語力:同じ絵柄を見つけても、他のプレーヤーも納得する絵柄の名称(なまえ)を言わないと、他のプレーヤーに先を越されてしまいます。絵柄の呼び方は知らなくても、その形の特徴をうまく伝えられれば、OKです。
名前の付けづらい絵柄に関しては、ゲームを始める前に、どのように呼ぶかを決めておくこともが必要です。
子どもがわかりやすい言い方にしてあげてください。
また、名前がわからない場合は、指さしも有りと言うルールを追加すれば、小さなこどもも一緒に遊べますね。
そのほかにも、カードゲームとしては比較的早く決着がつく(=所要時間が少ない)ので、ちょっとした空いた時間にも手軽にできるのが魅力です。
カードを並べないので、場のカードと自分の手札を置く平らなスペースがあればどこでも遊ぶことができます。
発達系の視点からみたおすすめポイント
発達に特性のあるお子さんへのサポート的な視点から、このゲームのおすすめポイントを書きだすと、次のような点です。
◎集中力
◎視覚(視機能)のトレーニング
◎場に応じて気持ちを切り替える
◎決断力(実行力)
◎集中力・・・・・出ているカードから絵柄を読み取ることが、大事です。
気が散ると、どんどん相手(複数名参加の場合は他のメンバー)に
場札を変えられてしまいます。
場札と自分のカードを見比べて、瞬時に反応することが有利になるので、否応なしに集中していきます。
◎視機能・・・・・絵柄の配置が自分の手札と逆になっていると、なかなか見つけにくいです。大きさも異なっている場合が多いので、色とシルエットで見分けることが早く見つけ出すカギになります。
◎気持ちの切り替え・・・
出そうと思っていたカードが相手によって瞬時に変えられてしまっても、そのことにすねたり、怒ったりしているとゲームの展開に乗り遅れて、自分が損します。
このゲームでは、早く気持ちを切り替えることが求められます。
◎実行力・・・・ためらったり、遠慮していると場札がどんどん変わっていきます。
しっかり、絵柄の名前を言わないと、いつも遅れてしまいます。
なかなか自分から発言できない子もこのゲームでは、はっきり声を出す練習になります。
実際のカードの読み取り方
実際のカードはこんな感じです↓
1枚のカードには8種の図柄が描かれています。
左上のカードを「A」、右上のカードを「B」,左下のカードを「C」、右下のカードを「D」とします。
それぞれを「A」場札、「B]Bさんの手札、「C]Cさんの手札、「D」Dさんの手札とします。
では、それぞれのカードを2枚ずつ見比べてみましょう。
AとBに共通な図柄は 「時計」 です。 他の2枚(C、D)には時計はありません。
BとCに共通な図柄は 「月」 です。他の2枚(A、D)には月はありません。
CとDに共通な図柄は「紫のドラゴン」です。これも他の2枚にはありません。
AとCに共通な図柄は「紫のネコ」です。これも他の2枚にはありません。
AとDに共通な図柄は「緑のシミ」です。これも他の2枚にはありません。
BとDに共通な図柄は「傘のようなオバケ」です。これも他の2枚にはありません。
つまり、組み合わせは6種類あります。
合図で、場札と同じ図柄を見つけてその物の名前をコールします。
この図では場札は左上の「A」でしたから、
自分のカードを出すには、Bさんならば「時計」をコール ↓
Cさんならば「ネコ」をコール↓
Dさんならば「緑のシミ」をコールする必要があります。↓
遊び方のポイント
このゲームでは、カードが円になっているのがミソで、面白いのです。
向きが異なると、案外絵柄が見つけにくいものです。
おまけに大きさが異なっていたりすると、なかなか見つけ出せません。
初めてこのゲームをやるときや、慣れていない間は2人で対戦するのが良いでしょう。
同じ絵柄を見つけ名前をコールして、自分のカードが早くなくなった人が勝者です。
メンバーが3人~4人になると、場札が目まぐるしく変わるので自分のカードが出しにくくなります。
わかっていても一瞬の差でコールされてしまい、場札が変化してしまうので、大人でもやっているうちに夢中になっていきます。
実際のゲームの様子を見ていると、始めのうちはなかなか見つけられなかった子どもが、
何回かやっていきゲームに慣れてくると、見つけ出すのがどんどん早くなり、大人を負かしてしまいます。
3人以上で遊びたいけれど慣れていない人が多い場合は、ペアのチームを作り、対戦するとよいでしょう。
とてもシンプルなゲームですが、案外大人も夢中になります。
よく見ているつもりなのに、見つからない!という経験を、私も何度かしました。
悔しがるのは、大人も子どもも同じようですよ。
戦略としては、いくつかの共通の絵柄を見つけたら、どんどんコールして場札を変えてしまう方が有利だと、
こっそり教えてくれた子がいました。
まとめ
このゲームでは視覚優位の人の得意分野なので、強いと思いますが、視覚からの情報が苦手なお子さんには、絵を見て理解し判断するトレーニングにもなります。
また、おすすめポイントにも書いたように、いろいろなスキルを使っていくので、『楽しみながらのトレーニング』に最適です。
なお、ゲームの説明書にはミニゲームのやり方もいくつか載っていますので、ご家族で楽しんでください。
そして、子供たちの隠された能力を思う存分楽しんで、一緒に喜んであげてください。
今回ご紹介したドブル以外にも、視機能などのトレーニングを兼ねて親子で楽しめるゲームが、数多くあります。
よく知られたトランプやウノなども良いですが、このような新しいゲームにもぜひ挑戦してみてくださいね。
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